yinggaideしばらく中国語圏で暮らしていたり、中国語を学んだりしていると、日本語を話そうとした時にも、どうしても中国語で言いたくなる言葉が増えてきますね。

中国語だったら短い言葉で簡単に言い表せるのに、日本語に訳そうとすると上手く訳せなかったり、長くなってしまったりしてもどかしいのです。

他の人にとっては、どんな言葉なのかが気になったので、Twitterのハッシュタグ「#日本語にもあったら便利だと思う中国語」で募集してみました。

①差不多

この言葉を挙げた方がたくさんいらしたのは、実は以外でした。特に中国関係の仕事では、「差不多」に象徴されるアバウトさに対し、ネガティブな発言を聞くことが多かったから。

でも、考えてみるとこのハッシュタグそのものが、中国語で表現される価値観をある程度肯定的に捉えることを前提にしているので、自然な結果だったのかもしれません。私自身も、「差不多」の持つ肩の力の抜けた感じを、楽だと感じることがあるから中国語圏の仕事に長く関わっていられるのだとも思います。

1919年に胡適が書いた「差不多先生伝」は、何もかも「差不多」で済ませてしまう人物を風刺的に描いたもので、今でも学校の教科書の題材になっています。比較的簡単な文章なので、中国語を勉強中の方はぜひ読んでみてください。

こういうプラスマイナスの感情が混在していそうな言葉としては、他にも②隨便 ③算了 ④沒關係等がありました。

 

 ⑤安排 

これを挙げた方もたくさんいらっしゃいました。様々な条件に配慮して事が上手く運ぶように手配することですが、そこには「根回し」や「忖度」が含まれることもあります。軽い案件から重たい案件まで、細部はごちゃごちゃ言わずに「”安排”する」だけで表現できれば楽ですね。

 

 ⑥提醒 

「リマインド」と訳すこともありますが、「リマインド」を普通に使うかどうかは、職場によってずいぶん差がありそうです。英語の場合は、日本語の中で使いたい時にも、簡単にカタカナ語にしてしまう人がたくさんいますが、中国語の場合、「ティーシン」のようにそのまま音訳で日本語の中に混ぜ込みにくいという問題があって、「これ使いたいけど使えない」の歯がゆさが増すのでしょう。

 

 ⑦應該的 

コミュニケーションを円滑にするためのこんな言い回しも、日本語には訳しにくいものがたくさんあります。お礼の言葉やほめ言葉も、日本語に訳してしまうと嘘っぽいセリフになったりします。中国語を話していて心地よいと思うのは、こんな言葉を遠慮なく使える時なのです。

⑧你先忙 ⑨我來  ⑩慢慢來 ⑪謝謝你的關心 ⑫小心 ⑬太客氣了も、同じ類に入る言葉かもしれません。原語のニュアンスをちゃんと訳そうとしたら、ずいぶん長くなってしまったというこんな例も。

 

 ⑭麻煩 

これは、上記と逆にネガティブな気持ちを表す言葉。個人的には、「面倒だ」「うっとうしい」等と日本語で言うより「麻煩」と中国語で言った方が、ネガティブな感情が薄くなるような気がします。母語ではないから、感情と直結しにくいのかもしれません。⑮氣死了もこの類でしょうか。

 

 ⑮上火 

その言葉を使う人達の文化、習慣等と結びついた言葉も訳すのが大変です。これは漢方の考え方と結びついた言葉。口内炎や吹き出物等、様々な症状を「上火」で片づけられてしまうと、「それでいいのー?」と思ってしまうこともありますが。⑯買一送一  ⑰停班停課も習慣そのものを知らない人に説明しようとすると長くなってしまう言葉です。

 

 ⑱放下 

最後に、私自身は思いつかなかったけれど、とても印象的だったものをご紹介しておきます。中国語の「放」は「放つ」という意味にもなりますが、これが手に持っていたものをどこかに「置く」になったり、指でつまんでいた調味料を「入れる」になったりします。共通するのは、何かを保持しようとして加えていた力を緩めること。それが心のありようにも結びつくのが、とても面白いと思いました。これもやはり、日本語には訳しにくい言葉ですね。

 

他にも面白い例がたくさん寄せられていますので、ぜひ「#日本語にもあったら便利だと思う中国語」でご確認ください。

(2019.8.31)

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