台湾華語(中国語)を教えたり学んだりしている人から、「注音で学んだ方がと発音がきれいになる」という言葉を聞いたことはありませんか。

既にピンインで学び始めて発音が難しいと感じている人の中には、この言葉を聞いて「あー失敗した!」と思う人もいるかもしれませんね。逆に、この言葉を聞いて注音で学び始めてみたものの、上手くいかなくて悩んでいる人もいるかと思います。

では、本当に、「注音で学んだ方が発音がきれいになる」のでしょうか。

 

zhuyinpinyinまず、「ピンイン」と「注音」という言葉について簡単に整理しておきましょう。台湾華語の教科書でよく使われる表音文字には、次の二種類があります。

①漢語ピンイン・・・漢字の読み方をローマ字で示したもの。中国普通話の表音方法とほぼ同じ。ここでは「ピンイン」と略称。

注音符号・・・台湾で漢字の発音を表すために使われる表音文字。ボポモフォと呼ばれることもある。ここでは注音と略称。

ピンインと注音の対照表

 

台湾の大学や語学学校の留学生向け授業で使われるのは、ほとんどピンインです。それによって、台湾華語を学ぶ前に中国普通話を学んだ人も、比較的に楽に切り替えができます。また漢字を一から学ばなければならない非漢字圏の留学生にとっても、馴染みのあるローマ字でその読み書きを学ぶ方が楽だという利便性もあります。

その一方で、台湾の人達の大半がピンインを読み書きできないという問題もあります。台湾の人たちが小学校で漢字の読み書きを学ぶ際に使われるのは注音。PCやスマホの入力で使うのもほとんど注音です。だから、せっかく周囲にたくさんのネイティブがいても、注音のわからない外国人は、台湾の人たちから漢字の読み方を教えてもらおうとした時に、ちょっと不便なのです。

 

では、「注音で学んだ方が発音がきれいになる」という言葉は、何を根拠にしたものなのでしょうか?

よく言われるのは、ピンインからイメージする音と実際の音のずれの問題です。その代表が「雨yǔ、去qù」のような「ü(「ウ」の口で「イ」と発音する音)」に読み替えなければならない「u」の存在でしょう。「五wǔ、不bù」の「u」とは明らかに発音が違うし、日本語のローマ字表記で使われる「u」とも違う音です。

これに対して、注音では、「雨ㄩˇ、去ㄑㄩˋ」「五ㄨˇ、不ㄅㄨˋ」のように、二種類の音に別の文字が当てられています。また、文字が全く違うため、英語や日本語のローマ字綴りの読み方から悪影響を受けることも少ないと言われています。

 

それでも、これから台湾華語を学ぶ人が「ピンイン注音か」で迷っていたら、私は間違いなく「ピンイン」を勧めるのです。

続きます

 

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