台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

2.莫非,這就是愛情(11)/台湾っぽい言い方

台湾ドラマのセリフを聞いて(字幕を見て)、「あれ?教科書と語順が違う」と思ったことはありませんか?例えば、こんなセリフです。

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(画像はYouTube三立華劇からお借りしました)

好,那妳再打電話給我
うん、じゃあまた後で電話して

「私に電話する」に対応する中国語の語順には、以下の二通りがあります。

A.打電話給我  B.給我打電話

中国の中国語(普通話)ではBが正解。では、台湾の中国語(華語)ではどうかというと、実はちょっと複雑なのです。

民間では、ほとんどこのセリフと同じAの語順ですね。ところが、外国人が中国語を学ぶ際に使う教科書にはBがたくさん出てくるのです。Bだけしか書かれていないもの、ABを併記しているもの等扱い方は様々ですが、教科書だけ見ると台湾でも「Bが基本、Aでもよい」と考えられているように見えます。

だから、ずっと台湾の中国語を勉強してきた人の中にも、このセリフの語順を見て「あれ?」と思う人がたくさんいるのだろうと思います。

特に、台湾師範大学で作られた教科書は、台湾の民間の中国語より、ずっと北京寄りです。例えば、語学学校で使う教科書の定番「視聴華語」では、北京語の特徴である「兒化」の語がたくさん出てきます。去年の改定で少し減りましたが、それでもまだまだ民間の発音に比べるとずっと多い。

「法国(フランス)」の「法」は、民間ではほとんど第四声で発音されていますが、辞書も教科書も第三声です。

こういう例を見ていると、「標準語」というのはバーチャル言語なのだということがよくわかりますね。現実にたくさんの人がその通りに喋っているというわけではなく、お国が決めた規範。だから、国語政策に携わる人の政治的な立場や、その時の指導者の意向等にも大きく左右されるのです。

 

同じ中国語でも、語順等の文法が違うのは、台湾と中国だけの問題ではありません。同じ中国の中でも、方言によって少しずつ違っていたりします。発音や語彙だけでなく、文法まで違うところが中国語の方言のややこしさ。だから「英語とフランス語とドイツ語の違いぐらい差がある」と言われることもあります。

 

このセリフについて言うと、台湾ではAの語順で言う方が自然な感じです。もしBを使うと「中国っぽい」という印象を与えるようですよ。

(2018.6.17)

 

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