台湾ドラマで中国語

台湾ドラマから、気になるセリフを拾って解説しています。スラング、慣用句、成語、日本語との比較、音声と字幕のズレ、文法、社会問題等、様々な角度から中国語の面白さをお伝えします!

台湾ドラマで中国語、目次

「日中対照用語集(ピンイン付):台湾ドラマの基礎用語」も、どうぞ

2.莫非,這就是愛情(9)/やりもらい

字幕の訳語を吟味していると、日本語と中国語の違いが見えてくることがあります。今日のセリフもそのひとつ。

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(画像はYouTube三立華劇からお借りしました)

我幫妳拿啦
持ってあげるよ

セリフと表情が合っていないのは、この人は聞いてるだけだから。話しているのは、気になる女の子の友達です。

「幫」という漢字は「幫忙(手伝う)」のような単語でもおなじみかと思いますが、こんな風に後ろに人を表す言葉を置いて、「〜してあげる、くれる、もらう」等を表すのもよくある使い方。

日本語の「あげる、やる、もらう、くれる」等のいわゆる「やりもらい表現」は、日本語学習者を悩ませる項目の代表でもありますね。中国語母語話者にとっても、もちろん同じです。

なぜ、これが難しいのかは、次のような対応を見ていただくとわかりやすいかと思います。

1.もののやりもらい

我給你:あげる
你給我:くれる、もらう

2.行為のやりもらい

我幫你〜:〜してあげる
你幫我〜:〜してくれる、〜してもらう

日本語は、やりもらいの当事者の関係や方向によって動詞・補助動詞を細かく使い分けますね。それが「私」と「あなた」だけならまだわかりやすいのですが、これに第三者が絡んでくると、与える方と与えられる方のどちらが話し手と近い関係にあるかを、瞬時に判断しなければならないので、難易度がぐっと上がります。

また、上に書いたものの他にも、「差し上げる、いただく、やる、くれてやる」等上下関係を反映させる言い方もあります。

これに比べて中国語の動詞そのものは変わりません。「A給B」か「A幫B+動詞」の形が基本で、やりもらいの方向は、ABに入る人で判断するのです。

この問題は、実は主語や人称代名詞の表れやすさとも関係しています。

例えば、このやりもらい表現では、日本語なら、主語や目的語の部分に来る人を言葉にしてを言わなくても、「誰が誰に」を簡単に特定することができます。そのヒントが動詞・補助動詞の部分に隠れているからです。

でも、中国語では動詞を見ただけでは、「誰が誰に」なのか、全く見当が付きません。だから、主語や人称代名詞を、はっきり言葉にして言う必要があるのです。

今回ご紹介したセリフがその典型的な例。

中国語では、「我幫妳」となっていますが、日本語では「私」も「あなた」も不要ですね。

主語や人称代名詞の表れやすさの違いについては、また別の機会にまとめてみたいと思います。

(2018.6.7)

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