土の中の豆
台湾では、ピーナッツのことを「土豆」と言います。ところが、中国では同じ「土豆」が、ジャガイモを表すのです。
この違いって、漢字の造語力とか、意味の柔軟性を象徴している気がして、とても面白い。
考えてみると、「土豆」って、そもそも「土の中の豆」としか、言ってないんですよね。だから、これが、ジャガイモでなければならない理由はない。
中国でどれだけ標準語(普通話)が普及したと言っても、生活に密着した言葉は、なかなか方言差がなくなりません。食べ物を指す言葉はその代表。
上海の「生煎饅頭」の「饅頭」には具が入ってるけど、北京の「饅頭」には具がない。これを統一しようとしたら、言葉の問題だけでは、すまなくなってしまいそうです。同じように、
「土豆」は、ピーナッツかジャガイモか?
どっちもアリなんだと思います。
中国のお惣菜の定番
そう言えば、中国のお惣菜の定番のアレ、台湾では、ほとんどみかけません。
ビールのおつまみにもぴったりの、「土豆絲(ジャガイモの千切り炒め)」!
なんでかなぁ、と考えてるうちに、小さなピーナッツを千切りにする場面が浮かんで来て、ひとりで笑ってしまいました。海峡のアッチ側とコッチ側で、ちょっとだけ違う言葉の問題に、私の想像力(妄想癖?)が、日々、活性化されています。
お土産にもなる台湾の「土豆」
台湾人のスタッフがしきりに自慢します。「台湾のピーナッツは、香り高くて、とてもおいしいんですよー。」それだけじゃなくて、お勧めのピーナッツをどっさり持って来てくれるから、可愛い!早速、いただいてみました。
殻を割ったら小ぶりの豆が出てきます。見た目は、ずいぶん前に食べたことのある千葉産高級ピーナッツに似てる!味も充分勝負できます!!!
小さいので、薄皮を全部とるのは難しいけれど、一緒に食べても全然違和感がない。いえ、むしろ、香りと風味が増すような気もします。
ホントにおいしい!
「これは、台湾土産の定番として、もっとPRしてもいいんじゃないの?」
と言うと、すぐに、
「でも、中国との貿易協定の成り行き次第では、中国から、安いピーナッツが大量に入って来て、台湾産ピーナッツの生産量が減ってしまうかもしれないんです!」
という答えが返って来ました。
海峡の向こうの大国との関係が、台湾の人達にとって、どれだけ日常的な問題なのかを、色んな形で、勉強させてもらっている毎日です。
2017.11.10